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「排水パイプにできた塞栓をどうやって除去する?」

『排水パイプにできた栓塞をどうやって除去する?』

                        ジェックス理事長  髙階經和

 昨年の夏頃から妻が「最近、キッチンの水の流れが遅いときがあるわ」と話していたのだが、あまり気にもしていなかった。どうもそれが初期症状だったらしい。

そして今年の1月に入ってから、寒い日が続いた時、水の流れが急に悪くなってきたため、排水管にこびりついた水垢が寒さのために一気に硬くなり、心臓の冠動脈でいえばアテローム変性による心筋梗塞様の症状がでたのではないかと思われた。インターネットで調べると各種のキッチンやバスルームの排水管の掃除用塩素系薬品に水溶液や、粉末などが市販されている。

マンションの管理人に相談すると「排水管掃除用には粉末のものが良いでしょう」との意見であった。その結果、近くのホームセンターで「排水管クリーニング用パウダー」を手に入れた。そしてその夜、粉を150㏄の湯に溶かし、排水管に注ぎ込んだ。するとシンクに水に溶けた掃除用液体が一気に泡になって噴き出してきた。恐らく排水管の水垢を溶かしてくれているのだろうと期待したのだが、翌朝、シンクを見ると掃除用液体が固まったままである。そして水を流してみると、配水管からシンクに染み出した液体は期待に反して、何の効果も見られない。

 我々は食事の度に、どうも排水管の一件が頭にこびりついて離れない。妻は如何すれば良いかを思案していた。「もう一回やって見たら」と私が提案したのがいけなかった。翌朝、排水管は完全に閉塞を起こしてしまったのだ。正に冠動脈完全閉塞である。水を流すと忽ちシンク一杯に溜まる始末。

遂に今朝は私の出番となった。私は水道屋の様に色々な道具は持ち合わせていない。仕方なく細い針金を二重に編みあげた。これを排水管に差し込んでローターアブレーションの様に先端を回転させながらU字型に曲がった部分を通過させれば、塞栓のように硬くなった水垢に孔が開けられると考えたが、現実はそう簡単にはいかなかった。
 相談の結果、この問題を解決するためには半球型の「吸引ポンプ(ラバーカップ)を何回か使えば取れるのではないか」ということになった。「ガバッ、ごぼっ、ガバッ、ごぼっ」この連続音と共に真っ黒になった水垢が剥れて浮き上がり汚水が飛び散る。そして濁った液体がシンクの底に一杯になった。妻と私が交代で、ラバーカップで陽圧と陰圧を繰り返した。流石に高齢者の我々は、2人とも息が切れて疲れてしまった。

ところがある。昼食の後、妻が私の部屋に飛んできた「排水管の水が、流れたみたいよ!」という声に驚いてキッチンに行ってみると、見事に水道管から出た水が排水管に渦を巻いて流れ込んで行った。排水管にできた塞栓が遂に取れ、再灌流に成功したのである。何回か陽圧と陰圧をかけたことが、パイプの中で水垢を少しづつ動かせ、その結果、成功したのだろう。排水管に出来た粥状硬化ならぬ塞栓を再灌流させた。

どこの家庭でも起こりうるドメスチックな凸凹作業であった。

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