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心電図データベース

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症例86 動悸を主訴に来院した男性

男性/27歳

問題

27歳のカナダ人男性。
文部科学省の招きにより、2012年より中学校で英語教師として来日し、現在まで平常通りの生活をしていたが、
ある時、飲酒後に急に動悸がしたため、心配になり受診した。(心電図)

(出題者)元髙階国際クリニック院長
公益社団法人臨床心臓病学教育研究会 理事長 髙階經和

 

27歳男性 の心電図

解答と解説

過去歴として、生下時より、心雑音を指摘されており、カナダの専門病院で診察を受けたが、最終的に詳しい説明はなく、日本での就業については問題はないと言われた。
家族歴として、父親が心筋梗塞で53歳の時に死亡。
診察所見:身長180センチ。顔面、口唇にもチアノーゼは見られず、血圧:120/70mmHg. 四肢(arm span)と身長(height)との割合は正常である。
胸部の聴診所見で肺音は正常であるが、心尖部で収縮中期駆出性雑音が聴かれた。
スリルは触れず心エコー図所見で収縮中期に僧帽弁前尖が左心房に反転していることが分かった。心電図所見では全く正常であるところから、「僧帽弁逸脱」と診断できた(心音図)。

 

心音図

27歳男性の心音図

図説:上段は大動脈弁レベル、下段は僧帽弁レベルを示すが、特に収縮期に僧帽弁の前尖逸脱が見られる。

27歳男性の心エコー図 27歳男性の心エコー図

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