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心電図データベース

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症例64 失神発作

男性/43歳

問題

家族歴:特になし
現病歴:高血圧症で降圧剤内服中
 
職場にて意識消失発作を認め入院した。
冠攣縮誘発試験を含む精査されるも異常なく、入院時の心電図は、ブルガダ様心電図であった。
ピルジカイニド(50mg静注)負荷試験を施行したところ、前胸部誘導にて著明なST上昇を認めた。

 

心電図1

心電図1

解答と解説

解説:
 ブルガダ型心電図の診断基準はcoved型ST上昇を伴うtype1およびsaddleback型ST上昇のtype2および3に分類され、ST上昇はJ点で2mm以上とされている。
これに対してブルガダ症候群の診断基準では、安静時あるいは薬物負荷後の心電図におけるV1-3のうち2誘導以上でtype1のST上昇を確認する必要がある。
 
 原因不明の失神の患者や突然死の家族歴を有する患者でtype1のST上昇が確認できない場合には、薬物負荷試験を行う適応となる。本症例ではピルジカイニド負荷前の心電図ではsaddleback型であるが、ピルジカイニド負荷後にはV1-3でcoved型ST上昇を認めており、ブルガダ症候群の診断基準(下表)を満たす。
このためICD(植え込み型除細動器)の適応決定のために心臓電気生理学試験をすすめたが、精査なしでのICD植え込みを希望され、ICD植え込み術を行った。約1ヶ月後、心室細動発作で失神されICDが作動して救命された。
発作直後の心電図でtype1のST上昇が認められたが、その後の外来経過観察中にも心電図は多彩な変化を示している(下図)。その後はキニジンとプレタールの内服で心室細動は抑制されている。
 
表 ブルガダ症候群診断基準
 Type 1心電図+下記5項目の内、何れか1つを満たす。
 1. 心室細動あるいは多形性心室頻拍が記録されている
 2. 45歳以下の心臓突然死の家族歴がある
 3. type1ST上昇の心電図を示す家族がいる
 4. 心臓電気生理学的検査で心室頻拍、細動が誘発された場合
 5. 失神発作ないし夜間のあえぎ呼吸

 

心電図 経過観察

 図 外来での心電図変化

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