ECG database

心電図データベース

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症例45 頻脈発作

男性/68歳

問題

平成8年11月20日より「脈が飛ぶ」という訴えで受診した。
生来健康であったが、8年前にも血圧を測定している時、最初の不整脈発作を経験したという。

(出題者)元髙階国際クリニック院長
公益社団法人臨床心臓病学教育研究会 理事長 髙階經和

 

心電図

心電図

解答と解説

 以後、全く不整脈も起こらず順調に経過しており、平成22年7月28日に撮られた心電図も正常であった。
血液化学検査の結果、軽度肝機能障害と、高コレストロール血症のため、ベーター・ブロッカーのロプレソール(20)を2錠、ウルソ(100) + ネオファーゲンC錠を各3錠ずつ、およびクレストール(2.5)錠を就寝時に1錠、服用し経過は順調であった。 平成23年5月10日、早朝より動悸を自覚し、全身に発汗を認め、気分不良となって受診した。血圧は180/110mmHgで、頻脈が認められたので直ちに撮られたのが問題の心電図である。普段の血圧は120/80mmHgと正常である。
 
解答:
 心拍数は152回/分で整である。一見してP波がR波に先行していないことが分かる。一般に心拍数が150回を超えるものは、「発作性上室性頻拍」と考えられるが、P波が見られず、R-R間隔が一定しているところから「頻脈性房室接合部リズム」を起こしたものと考えられた。
 直ちに両手を洗面器に入れた氷水につけさせ、5分経過した。その間、患者は徐々に手が痺れてきたようになり、「指先が痛い」と訴えていた。その直後に発作性頻拍が治まり、正常洞リズム(下図)に復帰した。
 

氷水に5分つけたあとの心電図

氷水に5分つけたあとの心電図

 
 一般に発作性頻拍は房室接合部での「リエントリー」によって起こると考えられるが、外来において遭遇するケースは、まず物理的に寒冷刺激を指先に与えるのが良いと教科書には書かれている。実際に発作を起こした患者には薬物療法を行う前に、患者に自宅でも対応できる治療法として奨めることが出来る。  久し振りに経験した「頻脈性房室接合部リズム」を起こしたケースであった。

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