心電図データベース
問題
心雑音をきっかけに定期通院していたが、最近になって労作時に呼吸苦が出現
心電図
解答と解説
解説:胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音が聴取され、頸部に放散する。
心電図ではI、V5、V6で高いR波、ST低下そしてT波陰性化を示している。
3年前の心電図ではこのような収縮期負荷所見はまだみられない。
3年前の心電図
心エコーでエコー輝度の増強した大動脈弁や左室求心性肥大がみとめられるも、大動脈弁逆流や左室機能低下はなかった。連続波ドプラ法で大動脈弁口面積0.5cm²、最高流速速度6.5m/s、最大圧較差168mmHgと判明、重症の大動脈弁狭窄症である。狭心症が出現しており手術の絶対適応と考えられる。
循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2000 – 2001年度合同研究班報告)
弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン
心エコー・ドプラ法からみた大動脈弁狭窄症の重症度
弁口面積(cm²) | 最高血流速度(m/s) | 収縮期最大圧較差(mmHg) | |
軽 症 | > 1.5 | < 3.0 | < 36 |
中等度 | 1.5 〜 1.0 | 3.0 〜 4.0 | 36 〜 64 |
重 症 | ≤ 1.0 | ≥ 4.0 | ≥ 64 |