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心電図データベース

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症例117 動悸を訴えて来院した

男性/72歳

問題

症例:72歳男性
ホルター心電図の所見を示す。
診断はどれか、2つ選べ 

a. 心房細動
b. 心房粗動
c. 心房頻拍
d. 房室ブロック
e. 洞不全症候群

 

図1 心電図

図2 心電図

栗田 隆志(近畿大学医学部附属病院 心臓血管センター)

解答と解説

【回答】 a.心房細動 c.心房頻拍

 

①図Aは典型的な心房細動である。CM5誘導、NASA誘導ともに基線が完全に不規則で、震えるような波形になっている。心房の中にたくさんの不安定なリエントリーが存在するためにこのような波形になると考えられている。心房興奮の影響を受けて、RR間隔も完全に不規則になる。

②図Bは心房頻拍と診断される。CM5誘導のみをみるとレート300/分を越える大変速い心房粗動のようであるが、点線の矢印で示した波形はT波である。下のNASA誘導を見ると、CM5で心房波が疑われた時相(点線矢印のタイミング)に心房波がないことがわかる。したがって、これはレート約200/分の心房頻拍という診断になる。心電図解析は複数の誘導を用いて総合的に判断することが大切である。

③本患者にはその後、カテーテルアブレーションが行われた。心房頻拍の起源も肺静脈由来であり、肺静脈隔離によっていずれの頻拍も根治された。 

心房粗動と心房頻拍の違い
心房粗動はレートが250~300/分と早く、心房波間に等電位線がない形態しているもの(鋸歯状波)を指す。心房頻拍はレート100~250/分で、心房波間に等電位線があるものとされる。ただし、これらを明確に区別できない場合があり、臨床家によって異なった診断名がつけられることもある。

図A、B

栗田 隆志(近畿大学医学部附属病院 心臓血管センター)

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