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心電図データベース

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症例11 呼吸困難を訴え当院救急外来へ搬送

女性/53歳

問題

救急外来でとられた心電図。過去に何度も同様の発作で来院したことがあり、過呼吸と診断され軽快していた。
身体所見、バイタルサインに特記すべきものはない。

 

(出題者)公益社団法人臨床心臓病学教育研究会 会長
社会医療法人仙養会北摂総合病院 理事長 木野昌也

 

心電図

心電図

解答と解説

低Ca血症の心電図
心電図は正常洞調律。まず目につくのはQTcの延長で0.56secと著明に延長している。
よく見ると、QTcの延長は正確に言うとST間隔の延長であることがわかる。
T波の形状は正常で頂点が後ろにずれた三角形であり、血清K値は正常と考えられる。
これは低カルシウム血症の典型的な心電図である。 救急室で測定した血液データは、
 
血清Na 141mEq/L、
K 3.8mEq/L、
Ca 4.5mg/L (正常値 8.4~11.4 mg/dl)、
P 7.2 mg/L (正常値 2.0~4.51mg/dl)であった。
 
入院後の精査にて活性型ビタミンDは18(正常27~68)、PTHは<1.4(10~54)と低下し、
原発性副甲状腺機能低下症と診断。活性型ビタミンD3を投与。

 

参考:3年後の心電図

3年後の心電図

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