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髙階理事長エッセイ「One thing at a time」【第10回】

 

 

【第10回】

 

《の》 自主、自戒のことば~その (17 )
   「  ペットに愛情を(love your pet) 」

     災害などに遭遇した時、人は誰でも自らの命を守る行動をとるようにと言われていますが、1943年9月、わたしが中学2年生の頃、西宮市浜甲子園に住んでいました。突然、夜中に暴風と高潮に見舞われ、「ザワザワザワ」という何とも言えない不気味な音の直後、自宅に海水が流れこんできました。 
     急いで病身の父の体を支えて階段を登り、畳が床から浮き上がり、一家がやっと2階に避難した時、海水は室内でも腰の高さまで達しました。我々が2階に避難して4時間ほど経った頃、何処からか「ハオウーーン、ハオウーーン」と悲しそうな犬の声が聞こえてきました。

 わたしはハット気付きました。階段を降り、海水に浸かった真っ暗な廊下を通り、裏庭のドアを開けました。薄暗い海水から顔だけ出している「タケル」がいました。わたしはユックリ近づき、首輪を外しましたが、長時間、海水に使っていた犬の体が冷え切って立ち上がれません。何度もわたしは「タケル、ゴメンね」と繰り返しがら大声で泣いていました。タケルの体をバスタオルで拭いている内に体温も正常に戻って来たのか、彼は全身を震わせて海水を飛ばしました。そしてわたしの顔を舐めまわしました。それが喜びと感謝の気持ちだったのでしょう。その後、彼は元気になり我々家族と過ごしました。
    犬や猫などのペットを飼育放棄する人がいますが、ペットも家族の一員です。災害時も可能な限りペットを忘れず、愛情を持って接して下さい。これはわたし自身の反省でもあります。

 

 

《に》 自戒自主のことば~その(18)
    「 なまけるな(don’t be lazy) 」

     以前に元東大寺別当の清水公照管長から頂いた額の中に次のことばが書かれていました。(その(11)参照)
清水管長のような高僧でもいつも反省し、宗教家として生活を送っておられます。そのことばを順番に取り上げてみると、わたしには耳の痛いことばかりです。

➤ なまけるな-  誰でも人多忙に紛れて怠けてしまい勝ちです。小さな目標でも達成すれば、達成感が得られると思います。

➤ おこるな-  同僚や部下の言動に一寸したことで腹を立てていませんか。自分が冷静になることです。

➤ いばるな-  部下に対して、知らないうちに相手を見下してはいませんか。いつも謙虚さを忘れずに話すことです。

➤ あせるな-  仕事が上手く行かないと、ついイライラしがちになります。何が原因だったかを考えることです。

➤ くさるな-  一時に多くのことをしようとすると、上手く行かず自分の生だと思いがちですが、一つの物事に集中することで解決するでしょう。

➤ おごるな-  「奢る平家は久しからず」と歴史が教えてくれます。権力を傘に振舞う人は必ず失脚します。職場でも同じことが言えるのでないでしょうか。

 

  いつも自戒自主の気持ちをもって前向きに生きることが大切です。

   

 

次回に続く

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