症例66 めまいと失神発作 男性 56歳 2013.5

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症例66

めまいと失神発作

男性 56歳 2013年5月掲載分

解答・解説

症例66の解答と解説

解説:
 主治医からの返事で、8月19日に単極VVIペースメーカーを右室に挿入後の心エコー図では、心房中隔欠損や心室中隔欠損もないことが分かった。また冠動脈造影は正常であった。2013年2月1日の心電図も「右軸偏位」を示していた。標準誘導から電気軸は左斜め上 -30°を向いている。標準誘導, I, II, III誘導ではスパイクに続いてペーシングされたwide QRSが記録されている。胸部誘導の場合も全てのQRS群はペーシングによるものと思われる。
しかし aVR, aVL, aVFでは、最初のQRS群は正常に僅かにペーシングのものが混じった(特にaVL)ように見えるが、基本的には正常伝導している。従って、ペーシングリードの位置を判定するには、aVR, aVL, aVFを除いた誘導で判定する必要がある。
 それで判定すれば、第I誘導で上向き、V1で下向き(左後ろ向き)、V6では本来第I誘導と同様の波形になるはずであるが、胸部誘導が全て同じQRSに見える。
これは、ペーシングリードの位置が心臓の一番前面に位置していることによるものと考えられる。
第II誘導で左斜め上(ー30度方向)、第III誘導でも左を向いている。

 
 以上より、ペーシングリードは、右室の心尖部付近にあり、リードの先端は前面に向いており、適切な位置に置かれていると考えられる。

髙階 經和(ジェックス理事長・高階国際クリニック院長)

 

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1年前からめまいと失神発作が起こり、2012年8月始めにホルター心電図を撮ったところ、洞除脈と洞静止がしばしば見られたため、洞機能不全症候群と診断し、8月19日に単極VVIペースメーカーを右室に挿入した。
注:標準誘導で明らかに「右軸偏位」が見られたため、「左室内にペース メーカーが挿入されたのではないか」と心配になり、主治医に相談があった。

出題:髙階 經和(ジェックス理事長・高階国際クリニック院長)

 

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