症例4 健診で心電図異常を指摘され来院 女性 46歳 2008.2

2. 心電図異常

症例4

健診で心電図異常を指摘され来院

女性 46歳 2008年2月掲載分

解答・解説

症例4の解答と解説

II、III、aVF、V1-5で浅いですが広範に陰性T波を、ST部はII、III、aVFで下降を認めます。
陰性T波がみられる大事な疾患は虚血性心疾患と肥大型心筋症(とくに心尖部肥大型)です。
この症例は、胸痛なく健診で陰性T波を偶然指摘され、その他の検査は正常で冠危険因子もなくUCGも正常でした。また陰性T波も5mm以下と浅く、広範に認める割に無症状であることから上記疾患は否定的でした。
それではこの症例の陰性T波をどう考えたらいいのでしょうか。
実は、心疾患のない健康者にも非特異的、機能的な変化として陰性T波が下壁と左胸部誘導にみられることがあります。特に神経質な人や中高年女性にみられ、neurotic heart (T) syndromeとも呼ばれます。
本例では健診で時々みられる非特異的な陰性T波でしたが、これをすぐに虚血性変化と思い込んで、不必要な検査や治療を行わないことが大切です。

梅田幸久(ジェックス理事)

 

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出題:梅田幸久(ジェックス理事・梅田医院院長)

 

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