症例28 呼吸苦、咳にて来院 男性 48歳 2010.2

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症例28

呼吸苦、咳にて来院

男性 48歳 2010年2月掲載分

解答・解説

症例28の解答と解説

P波が四肢誘導 I, aVLで陰転。II, III, aVFでP波高2.5mmと増高し肺性P波の所見である。
V1でP波後半部が陰転し陰性部分の面積が 1㎠を越えており左房負荷もみられる。
QRS complexもI, aVLでQS patternとなっており、胸部誘導ではV1からV6にかけてR波が減高している。
右胸心の所見である。右側胸部誘導で取り直した心電図を図2に示す。

図2 心電図(右側胸部誘導)(拡大版はこちらをクリック)

右側胸部誘導で記録した心電図

V1からV6にかけてR波が増高している。
本症例はKartagener症候群(不動繊毛症候群;Immotile cilia syndrome)の症例である。
Kartagener症候群は、気管支拡張症に内蔵逆位、慢性副鼻腔炎を合併した常染色体劣性遺伝病であり、
ダイニンの合成不可により繊毛の運動性喪失が原因となる。気道の繊毛運動不全により慢性的な気道感染を
きたし、気管支拡張症に発展する。
図3が本症例の胸部レントゲン写真である。心電図の肺性P波は広範囲の気管支拡張症からの肺高血圧症に
よるものと考えられる。

図3 胸部レントゲン写真(拡大版はこちらをクリック)

右側胸部誘導で記録した心電図

小糸仁史(ジェックス理事)

 

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出題:小糸仁史(ジェックス理事・関西医科大学第二内科、美杉会男山病院内科)

 

心電図(拡大版はこちらをクリック)

心電図