症例21 9年前に急性心筋梗塞を発症 女性 87歳 2009.7

3. 虚血性心疾患 < 心筋梗塞 < 心室瘤

症例21

9年前に急性心筋梗塞を発症

女性 87歳 2009年7月掲載分

解答・解説

症例21の解答と解説

【解答】
 心室瘤を合併した陳旧性心筋梗塞
 

【解説】
 心電図所見は、II・III・aVF及びV1からV6誘導のST上昇、aVL誘導でST低下、II・III・aVF誘導及びV3からV6誘導まで異常Q波、II・III・aVF及びV3からV6誘導でT波の陰転を伴っている。頻発性の心室性期外収縮も出現している。
 急性心筋梗塞後のST上昇は発症後長くても4週間には消失し、1ヶ月を超えてST上昇が観察される場合は心室瘤の存在が疑われる。本症例は、心筋梗塞発症後24時間日常生活を行い、息切れなどの心不全症状で総合病院を独歩で受診されており、この時期に比較的大きな梗塞巣が完成し、心室壁が菲薄化し、瘤状化したと考えられる。
 心エコー図では前下壁及び心室中隔から心尖部にかけて壁運動なく、薬剤負荷心筋シンチでも同部には再取り込みは認めていない。以前施行された冠動脈造影では、前下行枝#6に完全閉塞を認めている。

中尾正俊(ジェックス副会長)

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出題:中尾正俊(ジェックス副会長・中尾医院理事長)

 

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