症例19 全身倦怠感および食欲不振にて来院 女性 93歳 2009.5

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症例19

全身倦怠感および食欲不振にて来院

女性 93歳 2009年5月掲載分

解答・解説

症例19の解答と解説

来院時の心電図はPR間隔延長 (240msec), QT短縮、J点低下を伴う広範囲陰性T波がみられる。
ジゴキシン(0.25) 1Tが投与されていた。この3週間食欲不振が進行し飲食がままならず、脱水による腎機能低下(クレアチニン 2.3 mg/dL)もあり、血中ジゴキシン濃度は4.0ng/mLを越えていた。
ジギタリス中毒の心電図である。ジゴキシンの中止および輸液による脱水の補正で第6病日には、以下に示す心電図にみられる状態まで回復した(血中ジゴキシン濃度は1.4ng/mL)。
ジギタリス関連不整脈を誘発させる因子として、腎機能低下、高齢、低K血症、慢性肺疾患、甲状腺機能低下症、アミロイドーシスなどが挙げられる1)。本症例でも、高齢・腎機能低下・慢性肺疾患などがみられた。
上記のような患者にジギタリスが投与されている場合には、常にジギタリス中毒の可能性を念頭に置いておく必要がある。

ジゴキシン中止後の心電図(拡大版はこちらをクリック)

心電図 時系列

小糸仁史(ジェックス理事)

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全身倦怠感および食欲不振にて来院。陳旧性肺結核の既往あり。

 

出題:小糸仁史(ジェックス理事・関西医大第二内科准教授 美杉会男山病院内科部長)

 

来院時の心電図(拡大版はこちらをクリック)

心電図