症例18 夜中の持続的で不愉快な胸痛 男性 80歳 2009.4

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症例18

夜中の持続的で不愉快な胸痛

男性 80歳 2009年4月掲載分

解答・解説

症例18の解答と解説

【解答】
今回の心電図は完全左脚ブロックの症例です。
洞調律で脈拍数は69bpm軸は47度と左軸偏位をしめしています。一目でわかるように平均QRS幅が175msと異常に広くなっており(0.12秒以上)V5、V6の幅広いR波にはノッチや分裂を認めS波は認められません。
再分極異常のため二次性のST-T異常をともなっています。His束から分かれた左脚に伝導障害があるため右室が先に収縮し遅れて左室が収縮する異常です。

 

【解説】 
右脚ブロックと異なり、左脚ブロックでは、高血圧、糖尿病、動脈硬化や心肥大、大動脈弁膜症、心筋虚血や心筋症などの器質的疾患を認め自覚症状を伴うこと多いとされています。
この男性は拡張型心筋症(DCM)として、循環器専門病院と当院で診ている患者さんです。80才でDCMというのも議論のあるところですが心室の拡大、収縮力の低下、正常冠動脈所見は確認されています。今、病院からは両室ペーシング(CRT)の適応があるのではと植え込みを勧められているのですが、本人はあまり積極的ではありません。心不全の治療としてのCRT、皆さんも勉強してみてください。 

加納康至(ジェックス理事)

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数日前から、夜中に持続する不愉快な胸痛が続いている

 

出題:加納康至(ジェックス理事・加納内科院長)

 

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心電図