症例11 呼吸困難を訴え当院救急外来へ搬送 女性 53歳 2008.9

9. 電解質異常 > 低カルシウム血症

症例11

呼吸困難を訴え当院救急外来へ搬送

女性 53歳 2008年9月掲載分

解答・解説

症例11の解答と解説

低Ca血症の心電図
心電図は正常洞調律。まず目につくのはQTcの延長で0.56secと著明に延長している。
よく見ると、QTcの延長は正確に言うとST間隔の延長であることがわかる。
T波の形状は正常で頂点が後ろにずれた三角形であり、血清K値は正常と考えられる。
これは低カルシウム血症の典型的な心電図である。
救急室で測定した血液データは、

 

血清Na 141mEq/L、
K 3.8mEq/L、
Ca 4.5mg/L (正常値 8.4~11.4 mg/dl)、
P 7.2 mg/L (正常値 2.0~4.51mg/dl)であった。

 

入院後の精査にて活性型ビタミンDは18(正常27~68)、PTHは<1.4(10~54)と低下し、
原発性副甲状腺機能低下症と診断。活性型ビタミンD3を投与。

参考:3年後の心電図(拡大版はこちらをクリック)

3年後の心電図

木野昌也(ジェックス会長)

 

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救急外来でとられた心電図。過去に何度も同様の発作で来院したことがあり、過呼吸と診断され軽快していた。
身体所見、バイタルサインに特記すべきものはない。

 

出題:木野昌也(ジェックス会長・北摂総合病院院長)

 

心電図(拡大版はこちらをクリック)

心電図