研修会

講演要旨
良医・名医の選び方、見つけ方
----日米医療事情から考える

神戸大学医学部講師 北摂総合病院理事
中野次郎

滋賀県保険医協会 第27回定期総会記念講演
しがの保険医 第202号 (2001年8月15日)に掲載されたものです。

 良い医療を受けたい、良い医者にかかりたいというのは皆さんの切実な希望だと思います。
多くの医者の中から自分の主治医を探すのは非常に難しい問題です。1人の医者では不安になって次の医者に移る「医者のはしご」は日本で多いようですが、アメリカではほとんどありません。
 過去、医者と患者の関係は、「医学のことは素人には判らない、医者に任せておけばいい」という医者の態度がありました。患者は質問したら怒られそうだと遠慮してしまいます。この関係は今でも残っていて、様々な点で医療の阻害となっています。医療とは医者・患者・病院の三者の関係でより良くなっていきます。医療ミスも三者が注意すれば少なくなるはずです。
 医者と患者はパートナーであり、同じポジションにあります。患者が色々なことを隠していては診断できません。医者は問診によって75%の診断ができると医学生に強調しています。日本では問診が非常におろそかになっているので、それが大きな医療ミスにも関係していると思います。
 手術を受ける場合は医者の能力が問われますが、日本では手術方法だけを聞いて手術を受けます。ある病院で胆嚢の手術後に患者が亡くなりました。医者は一度もその手術をしたことがありませんでした。非難されたその医者は「これからは動物で練習してからやります」と言いました。そんな医者と患者の関係によって大きな医療ミスが起こってきます。手術をすると言う医者には患者は必ず「先生、その手術を何回しましたか」と尋ね、点滴注射をする看護婦にも「この薬は何ですか」と尋ねなければなりません。薬の代わりにミルクや消毒液を入れたミスがありましたが、これらも患者側が尋ねることで防ぐことができます。インフォームド・コンセントとは医者の治療経験も含めて充分な説明をした上で、患者の同意を得て医療を行うべきです。

●上手な医者のかかり方
厚生省は3年前に「医者にかかる10か条」を作りました。
  1. 伝えたいことはメモに書いて準備する
    アメリカでは医療訴訟が多く、メモは裁判で証拠になります。
  2. 対話の始まリはあいさつから
    日本人はあいさつが少ないです。アメリカではエレベーターに乗ると必ず笑ってあいさつします。あいさつによって医者と患者のコミュニケーションができます。
  3. より良い関係づくリはあなたにも耳任がある
  4. 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
    情報の伝達は無駄な検査で身体に負担をかけることなく、不必要な治療費を支払わずにすみます。
  5. これからの見通しを聞きましょう
  6. その後の変化も伝える努力を
  7. 大手なことはメモをとって確認
    医者に行く時は必ず手帳とペンを持っていくべきです。
  8. 納得できないときは何度でも質問を
  9. 治療効果を上げるためお互いに理解が必要
    医者は患者に治療効果や薬の副作用を説明し、患者も今飲んでいる薬など自分の情報を伝えなければなりません。
  10. よく相談して治療効果を決めましょう
●日米の患者の比較
日本とアメリカの患者の違いをみてみましょう
  日本人 米国人
大病院 行きたがる 嫌う
かかりつけ医 少ない 必ずある
医者のはしご 多い 少ない
予約 しない人が多い 必ずある
時間厳守 しない 厳格である
挨拶 する人が少ない よくする
医者への質問 しない よくする
薬、点滴 欲しがる 欲しがらない
薬名 知る人が少ない 大抵知っている
喫煙率 高い(55%) 低い(約20%)
胸X線 構わない 嫌う又は拒否
救急車 乱用する(無料) 呼ばない(有料)
長期入院 好む 嫌う
宗教観 弱い 強い
迷信 信じやすい 信じる人が少ない
臓器移植 少ない 多い
ガンの告知 望まない人が多い 希望する
訴訟 少ない 多い
医師の信用度 低い 高い

 日本人は大病院志向です。大病院は行く度に医者が変わります。アメリカ人は大病院を嫌います。日本人にかかりつけ医が少ないから医者のはしごが多いのです。  アメリカでは予約が厳しく時間厳守があります。患者は15分以上待たされたら帰ってしまいます。3時間待ち3分診療とは大きな違いです。 あいきつをすることでコミュニケーションがとれます。ハワイでは互いにキスして抱擁しなければ診察させてくれません。それによって医者と患者の関係が緊密になります。  日本人は医者への質問が少ないけれど薬、点滴を欲しがります。複数の医者にかかると同じ種類の薬をもらい無駄な出費がかかります。同時に薬漬けになり副作用が頻発します。アメリカでは薬は自費で患者は自分の飲んでいる薬名を知っていますから薬漬けが少ないのです。  日本は喫煙率が55%と高く、アメリカは20%以下になっています。日本では胸部]腺の撮影をよくしますが、放射線なのでアメリカ人は拒否します。日本人は救急車をよく使いますが、アメリカでは有料なのでよほどのことがないと使いません。アメリカでは長期入院を避け、なるべく早く退院させます。日本人は宗教感が弱く、神社は願い事、お寺は葬式と法事だけです。病院でお坊さんに会うと迷信を信じ縁起が悪いと思います。逆にアメリカは病院で牧師さんに会うことを好み、仏教でもハワイやカリフォルニアではお坊さんが必ず見舞いに来ます。集中 治療室など特に寂しく孤独感に集われます。そんな時に宗教的、精神的な力を与えてくれます。日本では脳死を人の死としない独特の考えがあって、臓器移植が少ないです。最近ではガンの告知を望む人が増えていますが、ガンといっても慢性的なものもあり告知は大切です。  日本で医療訴訟が少ない理由として、専門の弁護士が少なく訴訟しても患者側が勝てないからです。将来的に弁護士の数が3倍になり、訴訟も増えてくると思います。日本では医者の信用度が低く、ある新聞記事で20%しか信じないとありました。アメリカでは80%の信頼度です。  では良い医者とはどんな医者か。5つのCがキーワードです。

  1. Competence 診断能力
    診断能力を高めるため、研修をどれだけ積んだかが大切です。専門医がありますが、認定された専門医も非常に少ないです。持続教育について、アメリカの医者は法律で1年間に50時間の教育を受けなければなりません。有名な医者が「医者は5年勉強しなかったら駄目になる」と強調しています。
  2. Communication−Charting 情報交換、記録
    日本ではカルテの内容が不充分です。それはカルテの書き方を教えないからです。
  3. Comprehension 理解、確認
    医者が薬の副作用を充分理解、確認せず使用していることが多いです。確認不足により医療ミスが起きます。
  4. Consultation 対診、診療依頼
    1人の医者が、すべての医学知識を持っていませんから、自分のできないことは必ず専門医に尋ねることが必要です。アメリカでは内科医1人でガンの治療をすることはありません。必ずガン専門医の対診を受け2人で治療します。手術が必要ならすぐに外科医に頼みます。
     ”自分の医者が頼りない”と思えば、「その病気に詳しい人にお願いできないですか」と言うべきです。アメリカでは患者が頼む前に医者がしなければならないと強調しています。自分の専門外のことを専門の人に教えてもらうと医者自身の勉強になるからです。
  5. Compassion 思いやり、謙虚
    これが最も大切です。ギリシャの有名な医者ヒポクラテスがFirst, do no harmと言っています。人を傷つけてはならないということを医者の第一の資力としています。

●良い医者の条件

  1. 名医よりも良医、学歴よりも職歴を
  2. 友人、看護婦によく聞いて相談する
  3. 親切でやさしく、すぐ診てくれる医師
  4. 急がず、よく問診し、丁寧に診察する医師
  5. よく説明し、質問に答える医師
  6. 薬漬けしない医師
  7. 頼めばカルテを開示し、検査結果をくれる医師
  8. 必要であれは、言わなくても専門医に紹介する医師
  9. 煙草を吸わない医師
  10. 賭博狂やゴルフ狂でない医師
  11. よい家族をもつ医師
  12. 評判の良い医師
  13. 良い優しい看護婦をもつ医師
  14. 診察室が整理し、身なりの清潔な医師
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■かかりつけ医中心に病院、専門医と連携

アメリカは開放型医療体制を持っています。
●米国式開放型医療体制米国式開放型医療体制図

 例えば患者が入院した時に、病院の医者が診察するのではなく、患者のかかりつけ医が朝・夕と病院に行って参察をします。患者は自分のかかりつけ医に続けて診てもらえます。かかりつけ医が専門外なら専門医に頼みます。その後患者はかかりつけ医に帰ってきます。アメリカの一般内科医は患者の情報センターの役割を果たし、すべての情報をもっています。患者の病気に対してどの医者が最も良いかなど知らせてくれます。カルテにはあらゆる情報が書かれていて、患者が希望すればいつでもコピーしてもらえます。
 例えば乳ガンの場合、ガンの専門医と外科医、そしてかかりつけ医が治療にあたります。その結果、かかりつけ医にすべて報告されます。外科医は手術が終れば後は診ません。
 薬の使用で判断が難しい時、アメリカでは医者は薬剤師に意見を求めます。ところが日本では医者が薬剤師に意見を求めることはほとんどありません。薬剤師も医者に気兼ねして何も言いません。例えば内科で2種類の薬が投与されていて、服用すると問題が起きると知っていても医者に注意できません。その結果困るのは患者です。
 患者が検査を受けたいと思っても、日本では大病院に行かなければなりません。アメリカではすべての検査は検査所で受けられます。

●アメリカの開業医の役割
  1. 主治医であり、一般医であり、患者の家族のことは全部知っているホームドクターです。
  2. 医院で問診、診察、治療を担当します。
  3. 専門医であり、大学医学部の臨床教官でもあります.大学は解放されていて、臨床数官として1遇間に半日程大学病院に行き学生に教育しています。
  4. カウンセラーとして、医療だけでなく、家族のいろいろな相談にものります。
  5. 親しい信頼できる友人でもあります。
  6. 患者の冠婚葬祭に出席します。自分の患者が亡くなれば、必ず葬式に出席します。
  7. 医療講演や社会奉仕を進んでします。アメリカの開業医はこれらをずっと続けています。

 日本の人口は約1億3千万人、アメリカは2億5千万人と日本の約2倍の人口を有しながら病院数は日本より少ないのです。例えばハワイ大学の附属病院では、外来の待合室に患者は多くありません。大学病院の外来では特別な難しいケースだけを診察するからです。一般内科の患者は行きません。しかし、日本では大学病院に多くの患者がつめかけます。アメリカでは20年ほど前から大学病院などの大病院は病院の近くに開業医用のオフィスビルを作りました。ビルにはすべての診療科の医者が入っています。これは患者が町の開業医に受診し病院に来なくなるので、競争原理により病院が、開業医の協力を得よ うと考えたものです。患者が来てもその開業医が専門外なら他の医者に診てもらえます。入院させてもすぐに患者を診に行けます。それだけでなく大学病院で医学生に教えることができます。だから彼らは臨床教授とか、臨床助教授という地位をもらいます。給料は無給ですが、教えることによって自分も高度な知識を持つことができます。

■薬について

 私は初診時、患者に今まで服薬していた薬を全部持ってきてもらいます。自分の薬を知らない患者が多いからです。東京の老人医療センターの調べでは、60歳以上の患者の多くは4種類以上服薬しています。種類が増えるほど副作用などの問題も多くなります。諺に「薬も過ぎれば毒となる」とあります。1993年の調査で薬の数と副作用の関係を見ると、薬が4種類になると副作用の出る可能性が50%になりました。薬の種類が増えるほど副作用の発現率が高くなります。  日本は世界一薬の数が多く、最近の薬剤敷をみると、鎮痛剤は169種類もあります。169種類の薬すべてを知っている医者はいません。自分が使う薬はせいぜい1、2種類です。しかし、複数の医者にかかると、同じ効能の薬でも、違う商品名の薬をもらいますから、副作用が起こります。抗ヒスタミン薬は75種類、副腎皮質ステロイド外用薬は92種類、降圧薬は348種類もあります。問診で患者の話をよく聞けば薬の重複は起きないのですが、問診をあまりしない日本では何種類もの薬の重複が起こります。医者は、患者に投与する薬の情報を正しく伝えなければなりません。できるだけ薬を使わないことが必 要です。昔から精進料理がコレステロールには良いと言われています。なるべく薬を飲まないで、生活習慣を改善することが大切です。

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■痴呆について

 アメリカではアルツハイマーが多く、日本では脳梗塞など脳血管障害による痴呆が多いです。痴呆の原因としては喫煙、結婚状態、特に男性は妻に先立たれると鬱になって呆けてきます。歯の欠損。歯が少なくなると呆けやすくなります。物を噛むことが脳を刺激するという説もあり、入れ歯の状態が悪いと健康状態や呆けの症状も悪くなります。また人との交流が重要です。国際比較では、アメリカでは親しい友人が多く、家族の交流もさかんです。昔は日本も大家族でしたが、最近は核家族が増えて、家族との交流がない人が増えています。人との交流が少ないと鬱や睡眠不足になり、病気になります。  また、あまり知られていませんが、偽性痴呆症といい、治療可能な痴呆症があります。

●治療可能な痴呆症(偽性痴呆症)
  1. 老人性鬱病。配偶者の死別により孤独になって栄養不良、脱水症状になると呆けが出てきます。
  2. 寝たきり。 アメリカではケガや病気でもなるべく寝たきりにさせません。しかし日本では寝て安静にしていることが一番だと言います。
  3. 薬漬けは偽性痴呆症になりやすい。
  4. 内分泌疾患。特に甲状腺機能低下が発見されないことが多い。呆けた時は必ず甲状腺機能を調べなけれはなりません。また貧血でも起きます。
  5. アルコール・麻薬依存症により、よく痴呆状態になります。
  6. 頭部外傷。事故などによる硬膜下血腫は数週間後に起きることがあり、それを呆けとして見逃すことは許されません。

 私の患者でも最初呆けたような症状でしたが、甲状腺の挨査をしてみたら機能低下がみられました。甲状腺ホルモンが足りず、治療すると3週間で症状は安定し、2か月後に正常に戻りました。老人ホームなどで呆けていると言われる人も必ず甲状腺機能を調べなければなりません。治る痴呆は少しでも早く発見することが大切です。痴呆を防ぐためのライフスタイルは下表の通りです。

●老痴(ぼけ)を防ぐためのライフスタイル
項目 良い習性 悪い習慣
タバコ 絶対禁煙 吸う
アルコール 禁酒又は少量 毎日大量に飲む
女性ホルモン 更年期にとる とらない
運動       毎日30分・1時間 まれ又はしない
睡眠時間 7〜8時間 <6時間、>9時間
ストレス 適度 多い又は無し
労働時間 8時間以下 9時間以上
食事 適度毎日三食 暴食又は食べない
脂肪 魚、植物性 動物性
野菜、果物 よく食べる あまり食べない
肥満度(BMI 標準(20〜24) 肥満(>25)
友人家族交流 する しない、孤独
高血圧 正常にする 無視する
BMI=体重(kg)/身長(m2)

●ガンについて
 ガンはコントロールと早期発見が非常に大切です。以前は胃ガンが多く、最近は肺ガンが増えてきました。肝炎からくる肝臓ガン、食事による大腸ガンも増えてきました。また、男性の高齢者は前立腺ガン、女性は乳ガン・子宮ガンが多くなっています。これは早期発見ができるようになったことも関係し ています。ガンの外的な発生要因としてはまず食事です。

■ガンの外的な発生要因(ドウル博士ら)

ガンの外的な発生要因グラフ

肉や脂の摂り過ぎに気をつけて食物繊維を多く摂る。そして禁煙です。タバコとアルコールは食道ガンの最大の原因になります。生活習慣を良くすることが大切です。  アメリカのガン協会は30年ほど前から早期診断を奨励し、毎年定期検診することを奨励します。肺のレントゲンは2年に1度ですが、喫煙者は毎年します。前立腺検査、大腸ガンは潜血反応を見ます。胃カメラ、大腸の内視鏡検査は3年毎に1度することを奨励しています。女性の乳ガンは40歳から、近親者に乳ガンの人がいれば20歳代から毎年レントゲンを撮ります。乳房のレントゲンでは1ミリ位の小さな乳ガンでも発見できます。触診もしますが、触診で乳ガンが発見できたときには2年遅いと言われます。かかりつけ医は患者の誕生日を知っていて、誕生日のカードと−緒に「乳房のレントゲンと子宮ガンの検査を忘れないように」と書いて送ります。それにより早期発見できます。現在、子宮ガンで死ぬことはあってはなりません。これは医者が悪いか、患者が検査をしなかったかのどちらかです。このようにガンの早期発見の検査をすることは非常に大切です。昔はガンの告知を嫌がりましたが、最近の若い人たちは告知を希望することが増えてきました。現在はガンであっても生存率が高くなりました。告知をせずに化学療法をしてはいけません。アメリカではガンが見つかると、必ずガンのカンフアレンスにかけ、主治医が報告します。その後2人のガン専門医、1人の外科医、病理医、放射線医など多くの人が集まって、どのようにしたら治療できるかを討議します。ガンの発見が遅れた場合は家族の意見を聞いて告知するかを相談します。また終末療法として、倫理学者や宗教者も加わります。ですから1人のガン患者を1人の医者だけで治療することは絶対ありません。  よくガンの治療で、薬の量が多すぎたということがあります。医者のオーダーは間違いが多いです。例えば1.0のコンマが読みづらいと10倍になってしまいます。10倍になっていたら薬剤師が気付くべきですが、現実には医者を恐れて何も言いません。昨年もガン治療で1週間に1度の薬を毎日投与されるというミスがあり、若い女性が亡くなりました。アメリカではガン治療は必ずガン専門医が担当します。例えば注射はガン専門医が注射します。しかし日本では若い研修医や看護婦に任せます。だから間違いが起こりやすいのです。 患者の責任も重要です。

●患者さんの責任
  1. 食事
    a 青野菜、魚、豆腐、低脂肪牛乳、水分を充分に
    b 落ち着いて、ゆっくり、よく噛んで食べる
    c 毎食後歯を磨くこと(虫歯予防)
    d 理想体重を維持するように努めること (BMl<24)
  2. 絶対禁煙、節酒(1日酒1合、ビール中瓶1本まで)
  3. 毎日運動(散歩30分、ラジオ体操、ヨガ等)
  4. 家族、友人と毎日挨拶、会話、趣味
  5. 清潔な衛生状態を維持する(手洗い、入浴)
  6. 事故(転倒、入浴事故、自動車事故)に注意する
  7. 医薬を忘れない、薬漬けや薬の乱用をしない
  8. 常備医療器具:自動血圧計(高血圧)、血糖計(糖尿病)、体温計、体重計
  9. 常備薬:ばんそうこう、うがい薬、消毒液なと
  10. 医師との予約厳守(診察、毎年ガン検査)
  11. 蘇生術訓練
良い医療を受けるために私は「病歴書」(表参照)を書くことをお薦めします。 患者が病歴書を持っていると医者はとても役立ちます。短時間の診察ではすべてを聞き取れないからです。特に既往症です。海外旅行の時はこの病歴書を英訳しておくことも必要です。




病 歴 書


平成12年10月10日現在


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 姓 名:山本(田中)清子     男・女   出生日:昭和5年2月14日   年齢:70歳

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 出生地:鹿児島県指宿町     現住所:神戸市灘区篠原町4-5-102
                      電話:078-785-69X X   Fax:078-785-69X X


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 婚 姻:既婚・未婚        非常時連絡先:山本四郎  夫
 宗 教:浄土宗          電話:078-785-69X X   Fax:078-785-69X X


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 主治医::西 仁志        電話:078-868-24X X   Fax:078-868-24X X

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 体 重::53kg     身長:160cm   血液型:A   Rh:+

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 既往症・手術:

  昭和15年 虫垂炎手術(神戸○○病院9日間入院)
  昭和40年 肺炎(神戸□□病院8日間入院)
  昭和24年 長男分娩(神戸□□病院)、以後高血圧症、
         軽度糖尿病(神戸△△病院にて治療)
  昭和26年 長女分娩(神戸△△病院)
  昭和59年 子宮筋腫、摘出術(神戸□□病院12日間入院)
  平成10年 緑内症(神戸△△病院にて治療)
 事 故:なし


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 家族の病歴:

  母方祖父 胃ガンにて死亡(65歳)           
  父方祖父 老衰?にて死亡(90歳)
  母方祖母 老衰?にて死亡(85歳)
  父方祖母 脳出血にて死亡(70歳)
  父 心筋梗塞にて急死(55歳)
  母 高血圧症、軽い糖尿病(95歳)
  兄 高血圧症、高脂血症(72歳
  妹 軽度糖尿病(65歳)
  夫 肥満症、痛風、9年前にバイパス手術(73歳)
  長女 健康(49歳)
  長男 健康(50歳)


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 アレルギー:ペニシリン発疹、花粉症

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 習慣・喫煙:毎日タバコ6本(20年間)   飲酒 :ビール350cc 夕食時

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 現在服用薬

  1 レニベース5mg  毎朝1回      2 アダラートCR20mg  毎朝1回
  3 ダオニール2.5mg  毎朝1回     4 ガスター20mg  1日1回就寝時
  5 サンビオ点眼1日3回
  


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 現在歴(現在のあなたの健康状態)

  5日前から肩がこり、急に起きるとふらふらし、便秘しがちである。
  耳鳴り、悪心、頭痛なし、食欲睡眠よい。   




■入院について

 日本は入院日数が長いです。しかし入院には危険があります。それは栄養不良、運動不足、呆けの発痘、隔離・孤独による不安症、ノイローゼ、ストレス、寝たきり、床ずれなどです。日本の病院は患者1人に対する看護婦数が非常に少ないので、患者は良いケアを受けられません。アメリカなら床ずれをつくれば訴訟の対象になります。 しかし、1人の看護婦に5、6人の患者では見過ごされてしまいます。院内感染、薬漬けも問題です。アメリカではなるべく早く退院させており、日帰り手術も多いです。退院が早いと予後も良好です。この前提として救急室が発達しています。何かあればすぐ救急室にかけつける。ところが日本では救急室がうまく機能していません。  今日本では経営赤字で病院が因っています。これを解決するためにはまず薬の乱用をやめなければいけません。薬漬けは副作用がよく起りそれが原因で死ぬことさえあります。それから検査漬けも問題です。そのためには問診を徹底し、不必要な入院も避け、生活習慣病を減らさなければなりません。しかし日本は禁煙については徹底されていません。その理由は禁煙すると税収が下がるからです。たとえ税収が下がっても、タバコを原因とする健康被害で、タバコ税収の10倍もの医療費がかかることを忘れてはならないと思います。  患者として医療と向き合う時、まず信頼のおける主治医を持つことが必要です。そして医者は患者の身になって最善の医療を提供するように心掛けなければなりませんっそのため常に自己を研鑽して、一人だけで診るのではなく、複数の専門医と連携して治療する。カルテ開示をして患者と一緒に病気を治すという気持ちを持つべきだと思います。


本文は、『しがの保険医』より転載し、図・表は『しがの保険医』 を元に作成いたしました。

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